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Field Report
5/28  里川伝説
Photo & Text by Nomura

今回は去年渓流デビューを果たしたT君と2人での釣行です。
釣行に選んだ川は本流でもなく、源流でもない、ほんとに里川という表現がピッタリの小さな川です。
午後には二人とも野暮用があるため、午前中だけの釣りになったので、比較的近場のこの川を選択。

しかし、こういった近場で道路から入渓し易く、
民家も多くて、地元の餌釣り師が数日おきに
立ち替わり入るような、小規模で短い川では、
そう簡単に魚を手にすることはできない。

この時期になると、放流魚はほとんど釣りきられ、
増水でも流され、魚影は極めて薄い状態。

だが、全く可能性が無いわけではない。

今回の狙いは、皆が解禁から3ヶ月間釣り残した、簡単には釣られない魚。
いわゆる
去年の放流物で年越しの野生化した居着のアマゴ。当然サイズはいい。
それと、川で生まれた野生の純天然物。この川では極めて少ない。
それと、そろそろ本流から差してくるであろう戻りアマゴ。
である。

これを増水後の引き水で一番良いタイミングで入り、口を使わせようって魂胆です。


現場に到着し、早速川を覗くと水位は高めで
狙い通り状況は良さそう…

苦戦は予想されるが、
2人ともヘンな自信がみなぎる!

ここでまず、入渓場所の選択で
この日最大の運が味方をする。

川幅は狭い所では3m程しかない

予定の入渓場所から降りようとした時、すぐに下流に小さな堰堤が見えた。
普通だと一番プレッシャーが掛かる場所だが水位が高いため、ここ一番の大場所に見えてしまう。

あの大場所で魚を釣りきることは無理だろう、残ってるかもしれない!一発に賭けよう!
ということになり、下流に降り口を探すが、護岸、崖、で降りられない。

結局、堰堤から100m以上下流の民家の隙間に降り口を見つけ、なんとか川に降りられた。

そして川に降りたその最初のポイント。

なんてことはない、普段なら激浅のチャラ瀬。
水位が高いため、一応キャストをしながら
釣り上がっていく。


いきなりの29cm泣き尺アマゴ
ヒットルアー:アレキサンドラ50S

すると、数投目
僕のミノーにアマゴがチェイスしてきた!

おっ!と思った瞬間、追いを止め一瞬距離が開く…
その時、少しだけ速度を落とし、トゥイッチを弱める…

すると振り返るようにバイト!
ガッチリフッキング!

お〜! うお〜!

全部見えたねぇ〜!
2人でいきなりのヒットに盛り上がる!

キャッチした魚は去年の放流物と思われるが、完全に野生化した体高のある鰭ピンの29cm!
なんでこんなポイントに…   って感じである。  釣り開始から僅か3分の出来事だった。


里川ならではの外道(カワムツ)
それからは足早に、見えていた堰堤を目指す。
ここで、T君に明確なアタリが…
しかし、完全にはノラなかった…。

ここから1時間以上、アタリから遠のく。
予想通りの展開に…。
やはり川は厳しい状況であることは否めない。

ここで僕の子供の頃のくだらない里川伝説の話が始まる…
小学生、中学生の頃、近くの(とはいっても自転車で1時間程かかる)里川に
よく兄と僕はアマゴを釣りに行っていた。…ころの話。

兄がそこで得た経験で、「なぜかこういう川では民家が現れると釣れだす。」と言っていた。
僕も釣りながら気をつけて観察すると本当に民家の下のポイントはよく釣れたのである。。。

普通なら民家の近くはその住民がよく釣りをするはずだし、魚はあまり居そうにないイメージがある。
しかし、僕らの経験からくる勝手な理由付けは、

「民家があると生ゴミなどがよく流れてくる。それに虫や小魚が集まる。そして民家の人が
川を毎日行き来するのでアマゴが人影になれている。だから釣れるのでは。」

これが子供の頃の里川伝説である。


話は釣りに戻るが、

その民家が近づいてきたその時、遂にT君にヒット!
これまた鰭ピンの23cmの良型!

そういえば最初のヒットも民家の隙間から降りたポイント。

やはり里川伝説は健在だった…。


T君のタックル紹介
ロッド:Expert Custom 560UL
リール:'98ステラ1000DH
ネット:IVYLINE Origin 30
ルアー:リッジ46S


アマゴをリリースするT君

その後は予定の場所までアタリ無しに終わり、車に戻った。

二人とも一匹ずつキャッチしたので、余裕ができたのか?残り時間、本流アマゴを狙ってみようか!ってことになる。
そこから2km程下ったところに本流の出会いがある。更に8km程下流に小さなダムもあるため、銀化の戻りも十分狙える。


本流を下りながらラン&ガンで攻めていく。
その2カ所目で今度は僕のミノーにヒット!

28cmの幅広の本流アマゴ。
尾びれの縁が黒く、先が尖った、本流らしい魚だ。



本流アマゴは渓魚に比べて歯が鋭い!


ヒットルアー:蝦夷50S

これが最後の魚になったが、今回は2人とも魚をキャッチし
サイズもまずまずで、十分とまではいわないが満足できたのではないだろうか。

今年の高知は雨が多く、川の水量が安定して高いため、
いいサイズが出やすい状況が続いています。
皆さんも渓に足を運んでみては…


PS: T君、また一緒に渓流に行きましょう!

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